平成7年1月の阪神・淡路大震災は、未曾有の都市型災害として、東京にも数多くの貴重な教訓を残しました。その一つに「被災者の相談事は多種多様であり、問題解決には、各種専門家職能団体が密接な連携を取る必要がある。しかも、そのような連携体制は災害が発生してからではなく、平常時から整備しておくべきである」というものがあります。私たちは、この教訓を生かす具体的方法について、それぞれ検討をしてきました。 平成16年1月17日、阪神・淡路大震災後9年にあたり、阪神地区、宮城県地区、静岡県地区及び東京地区の各地専門家職能団体、研究者及び各行政担当者が神戸に集い、「全国まちづくり専門家フォーラム」を開催しました。そこでは、災害時に備えて何をしておくことが必要か、ということを議論しましたが、結論として、住民、各種専門家職能団体及び研究者、行政等とのネットワークを構築して災害対策の調査・研究・研修・啓蒙等の諸活動を平常時より積極的に展開するべきことを確認しました。
これを受け、東京の専門家職能団体は協議会を設け、それら諸活動を実現する方法を共同で協議、検討することとしました。この協議会は平成16年3月以降、8回にわたり開催され、毎回8〜10職種、30〜40人程度の専門家職能団体の担当者らが集まり熱心な議論が行われました。また、東京都総務局総合防災部のご担当者からは、個人的意見として、「東京都の立場としては主体となって動くことはできないが、もし、専門家職能団体が自ら支援機構を立ち上げるということであれば、それを歓迎するし、協力もする」という意見をいただきました。
平成16年9月21日、大方の団体の意見が集約できたことから、東京三弁護士会が東京の専門家職能団体に対して、共同で「災害復興まちづくり支援機構」を設立することを呼びかけました。そして、正会員、賛助団体・個人会員の皆様及び東京都、(財)東京都建築防災まちづくりセンターの各ご担当者の方々のご理解、ご協力をもって、平成16年11月30日に同支援機構の設立総会が開催され、同支援機構が歩み始めることとなりました。
ここに至るまで、多くの皆様に、いろいろなご支援をいただきました。そのご支援に報いるためにも、支援機構が立派に社会貢献できる団体となるよう努力をしたいと思います。
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